5月21日(土)

 先日、平塚市美術館で開催されている開館20周年記念企画展「画家たちの

二十歳の原点」を友人と見に行きました。すでに行ってきたという人たちから

「よかった。」という声は聞いていましたが、確かに「よかった!」

芸術を目指す若いエネルギー、それが画面いっぱいに爆発していたり、静かに

内側に秘められていたり、二十歳前後だった作家たちが絵画に、人生に

高い志を持って立ち向かっていった様子が伝わってきました。こういう若い時代

があってこそのそれぞれのその後なのだとうなずきながら見て回りました。

 大学で毎回本の紹介をしていますが、今回はこの展覧会の紹介に引き続き

高野悦子さんの『二十歳の原点』を取り上げました。昔、読みました。でも

手許に本が見当たらず、大学へ行く前に紀伊國屋へ寄って新潮文庫を買い

ました。電車の中で帯や後ろの解説、中身をぱらぱらと眺めました。今大学生

を前にして講義をしている自分もかつては女子大生だったんだ、高野悦子さん

のよう生きること、自分のあり方について激しく悩みはしなかったけれど、確か

に同じような20歳の自分がかつて存在したんだ、と当り前のことが何だか不思

議に感じられました。そして目の前の学生がいつも以上に眩しく見え、若いとい

うことへの羨ましさ、憧れの気持ちも吹きあがりました。でもそういうことを感じる

瞬間が自分の中で持てることが幸せなのですね、きっと。

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