4月18日(火)

  週末土曜日、平塚の図書館は休館中。私は午後から新宿朝日カルチャー

に出かけ、3時半から先ず荒川洋治さんの講座「心に残る文学作品―作品の

歴史」、その後6時半から「絵本時評」、小野明さんと広松由希子さんの対談を

聞きました。

 荒川さんの講座はいつものように大変参考になる文学案内のお話で今回は

深沢七郎『楢山節考』について詳しく聞きました。原作を読んだことがなかった

ので昨日早速新潮文庫を買ってきました。荒川さんのお話を思い出しながらじっ

くり読みたいと思います。

  小野さんと広松さんの絵本についての対談の企画は前にもあって受講した

ことがあります。広松さんとは3月の「子どもの本の日フェスティバル』の中の

プログラムの一つ、座談会でご一緒するはずだったのですが、11日の大震災

でそのイベントが中止になり、始まる前に先ずご挨拶。広松さんはまるで

どこかへ旅行に出るかのようなキャリーバッグにたぁくさん絵本を詰めて

持っていらっしゃっていました。

  小野さんと広松さんの息もぴったりの対談、今年1月から3月に出た絵本が

次から次へとまな板の上に上がります。絵本のページがスクリーンに映し出さ

れお二人による読み聞かせから始まり、次にその絵本についてのあれこれ意

見が交わされる形の講座です。

 広松さんの読み聞かせはとっても良くて、心がゆったりします。絵本につい

て結構厳しい評をなさるのですが、あの優しい口調のためか、きつくは聞こえて

こないところがまたいいな、と思います。自作自演の『うらしまたろう』、これはも

ういうことなし、でした。飯野和好さんの絵がまたいつも飯野さんのイメージとは

ちょっと違っていて広松さんの文ともぴったり。『うらしまたろう』のおはなし、海

辺でいじめられているカメを助けて・・・というものではありません。ちょっと大人

の『うらしまたろう』です。早速本屋さんに直行しなくちゃ。

  先日亡くなった岸田衿子さんの作品も取り上げられました。うちの図書館が

リニューアルオープンした時に第一回目の講演会を岸田さんにお願いするつも

りで岸田さんとは何回かお電話でお話をしたことがあります。結局体調をお崩し

なって、実現できなかったことが残念でなりません。その岸田さんの『もじゃ

らんこ』、広松さん大絶賛でした。コレもすぐに買わなくちゃ。

  土曜日、私は半日楽しい本のお話とともに過ごす幸せな午後でした。

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