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9月28日(水)

 爽やかな秋の風が吹き始めました。今日から図書館ではアイスランドの童話作家ノン二展の開催です。朝10時、オープニングの集まりが開かれました。大蔵前平塚市長を中心にたくさんの方々のご協力を得て地元のみなさんが集まってくださり、大盛会。こんなにたくさんの男性が、こんなに年配の方が一度にこの図書館に集ったことは今までなかったのではと思います。この企画を通じて、より多くの方々(先ず大人)が児童文学、本、に親しみそれが子供に自然に伝わっていってくれたら、と思います。

 私自身は 「本が好き」という自分だけの世界がいつの間にか図書館という場を通してこんなふうに広がってしまったというのが正直な気持ちです。その「本が好き』という気持ちがこのところまたエスカレート気味で、9月は書架に並ぶ新しい絵本がたくさん増えました。

 新宿紀伊國屋書店で買いました、買いました。あまりに重いので、今回は届けてもらうことにしましたがもう待ちきれなくて到着するや否や片っ端からページを広げてニコニコ。「ご飯はどうなった?」とお腹をすかせた娘たちにあきれられ、楽しい絵本タイムは中断、テーブルに食事の用意をして、自分はまた絵本に戻ると、娘たちのあきれ顔は勝手にしなさい、私たちはご飯たべます、というふうに・・・。

 どんな本が届いたかについてはまたHPの本のコーナーで紹介していきたいと思います。あの日、紀伊國屋書店で本選びに夢中になっていなければ、すぐに電車に乗って帰っていれば、小田急線の中で6時間、なんていうハメにはならなかったのに。そう、あの台風の一番「大丈夫?」と言われている時間帯に本屋さんの中を動き回っていたのでした。本好きにも困ったものです・・・。

9月17日(土)

夏はいつ終わるんだろうか?今年はいつまで素麺やかき氷がおいしいか?秋の洋服をいつ買いに行くか?こんなに日差しが強いと洗濯物も早く取り込まないと生地が傷んじゃいそう・・・カレンダーはとっくに9月に差し替えたはずなのにこのところ娘たちとの朝食はこんなおしゃべりでスタートしています。

仕事がら一年中本と関わっての暮らしですけれど、じっくり本を読むのは秋の落ち着いたひんやりした空気の方がいいなと思います。“文化的”なことはやはり秋がふさわしい、と思うのは四季折々の生活が定着している日本人特有の感覚なのかな。

本当に暑い一週間でしたが、日傘を手に、扇子、ペットボトル、タオルをバッグに押し込んでいろいろなところへ出向きました。、中身は結構秋らしい文化度の高い一週間だったように思います。水曜日は荒川洋治さんの講演、金曜日は茂木健一郎さんと夏目房之介さんとの対談を聞きに出かけ、本屋さんへも何回か足を運びました。

いつものことながら荒川さんの文学のおはなしにはすっかり引き込まれ、まだまだ読書が足りないゾ、と反省し、茂木さんの対談からはこれもいつものように新しい視点、生きる喜びのようなものを感じ、両日とも豊かな気持ちで帰宅しました。

昨日の新宿紀伊國屋書店での本の購入はまたまた楽しいひと時。買いました、買いました。注文しておいた本のほかに店頭で見つけた本、リストアップしておいた本、8階、7階、5階、1階を行ったり来たり。合計19冊。ぜーんぶ持って帰りたかったけれど、さすがに重いので明日届けてもらうことに。もちろん絵本、児童書が中心です。去年買った洋書『the secret lives of Princesses』の訳本が8階の児童書売り場で平積みになっているのを見つけた時の心の中の「キャーッ」という叫び、即お買い上げですよ、店員さん。早く早く届かないかな、もう待ちきれません。今、手許に洋書版を置きながらパソコンに向かっています・・・。本一冊でこんなに幸せになれることがホントに幸せ、なぁんて言っている自分にちょっとあきれてもいます。明日は19冊の本を相手に”楽しい秋の夜”のはずです。エアコンの力を借りずに読書の雰囲気を盛り上げてくれるような秋のひんやり感が味わえたらいいのにな。

9月10日(土)

 この間九月に入っちゃった、と慌ててカレンダーを差し替えたばかりなのにその九月ももう三分の一が過ぎようとしています。

この夏はいつも以上に盛りだくさんのスケジュールでお休みはほとんどありませんでしたが、それはそれで充実した毎日でもありました。その締めくくりというような仕事を8日木曜日に終えホッと一息ついたところです。神奈川県図書館協会研修がうちの図書館で開かれました。「図書館見学と講演という内容です。」という依頼を受けた時にはどなたか講師の方がいらっしゃるのかと思ったら、何と私がお話するということではありませんか!!私立図書館の運営について話してほしいとのこと、何を話せばいいのか最初は困ったことになったと気が重くなりました。

 7月の終わりころ、鎌倉図書館へ打ち合わせに出かけました。一時間の打ち合わせ、とメールで連絡があり、一時間も何を打ち合わせするの?うちは見学といっても本があるのは1階だけだし・・と思って出かけて行ったはずが、私は図書館のこと、本のことなど延々と話し、11時に始まった打ち合わせ、気付けば時計はすでに12時30分、「ところで当日は何をお話しましょうか?」「今日のようなことで大丈夫です。」あーよかった、今日の打ち合わせもホントに楽しかった、でも本のことになると本当に止まらなくなってしまう私・・・。呆れられちゃったかなぁ、なんていう気持ちで帰宅しました。

 その打ち合わせ時のこともすっかり忘れクリアー、というのか、あの時は何をはなしたんだっけ?という感じで9月に入り、レジュメくらい用意しなくちゃとちょっと慌てたもののあっという間に当日。講演のタイトルも一応決めてみました。「図書館運営奮闘報告 ~私立図書館運営の楽しみ方~」

 当日になって上の娘が「ついて行こうかな」と同行、心強いような気恥しいような、保護者付きのような・・・。母親としての顔以外の部分を娘に見られるのはやはり恥ずかしいものです。図書館の沿革、リニューアルオープンまでの経過、リニューアル後のこと、蔵書、企画、財政、建物の維持管理について、私が感じて来たままをお話ししました。ひととおり話し終えたところで時計を見たらぴったり90分、予定どおり、と心の中でホッ。その後は一階へおりて図書館内を自由に見学していただきました。見学というほど広いスペースでもありませんけれど、絵本や児童書中心の蔵書を見ていただき、みんなから”由希さんの趣味に世界だね”と言われている書架や遊び道具、自慢のブタコレクションもご案内して和やかに終了。

 カウンターの自分の定位置に戻ると一足先に帰った娘からの置き手紙。「ママ、よかったよ。本のこと、図書館のこと、あんなに楽しそうにわかりやすく話ができるなんてステキだね。」という言葉に「下にいても2階での話をちゃんと聞いていたんだ。」と照れくさい気持ち、でもちょっといい気分にもなりました。今回も打ち合わせ時同様私が一番楽しかった、そんな研修会でしたが、研修参加者のみなさんはどうだったのでしょうか。そのうちアンケートの結果をお届けします、という担当の方からの連絡をドキドキしながら待つことにします。

9月2日(金)

先週・今週と図書館学受講の学生と一緒に上野の国際子ども図書館、永田町の国立国会図書館へ見学に出かけました。私はもちろんお馴染みの場所ですが、中途退学?の第三者として外側から二つの図書館を訪問する良い機会になりました。

 両館とも国の機関ですから蔵書数、組織の規模は桁外れなのは当然です。学生のみんなは特に書庫の広さ、蔵書管理の大変さを垣間見て驚いた様子でした。

 子ども図書館では旧帝国図書館の洋風建築物の素晴らしさに改めて感激。1980年入館時、新人研修で同期のみんなと初めてこの上野図書館を訪ねた時のことを思い出しました。地下にある食堂で毎年新人に上野図書館名物のカレーライスがふるまわれるのが恒例だったようで、私たちもご馳走になりました。「ここでお替わりする新人なんて、今年は大物ぞろいで楽しみだ。」とからかわれた私たち80年入館組の面々もそれぞれの部署で要職に就き、活躍中のはずです。

 四月から子ども図書館館長になったIさんが在室だったので「館長さんになっっちゃったの?」と声をかけると、「そちらはとっくに館長でしょ。」とやりかえされました。確かに・・・。「こちらは雇われの身だよ・・。」とIさんらしい一言も。

 さて、ここで子ども図書館の様子を細かく説明するまでもないのですけれど、同じ子どもの本を扱っている小さな小さな私立図書館の目から見れば、それはもう贅沢な造り、うらやましい限りの本揃え。夏休み中ということもあってか子どもの姿も多く見られました。次の見学の機会にはうちの娘も同行させて少し刺激を、と思います。

永田町のNDLでは地下8階からなる書庫内見学中心のものになりました。案内役は私もよく知っているちょっと先輩のTさん。丁寧な説明でわかりやすく学生のみんなも勉強になったのではないかと思います。書庫内の本の匂いがとても懐かしく、洋雑誌係として書庫内で作業をしていた頃は国内雑誌はZ33くらいまで、洋雑誌がZ51から55までだったはずの大きな区分け記号も今ではZ71とか72まであって、これではすぐにこの書庫も満杯になってしまうのは当然だな、とこの先の書庫のこと、私が心配することではありませんが、気になってきました。増える本と収納するスペースの問題はこれからずっと課題になるのでしょう。

 永田町へは自分の調べ物で利用者として出かける機会はおおくなさそうですが、上野の子ども図書館へはこれからもっと通いたい、(もう少し近ければいいのに)そんな風に思う見学ツアーでした。