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4月29日(金)

 ゴールデンウィークに入りました。今日、英国では待望のロイヤル・ウェディン 

グ。遠い海外のことでも明るいニュースには心が弾みます。

  さて、先日平塚の図書館にも私待望の書架が届きました。『この本読んで』

に紹介されていた気になる鎌倉のお店を先週ようやくのぞきに行きました。店内

には本の展示用に考えられたステキな書棚やグッズが並んでいて、壁には絵

本がズラリ。その絵本の数々は私と同じ感覚の選び方のような感じがしてまず

親近感。肝心の書架に目をやるとうちの図書館にぴったりという品々ばかり

です。その中でも、是非是非購入したいものをみつけたのですけれど、一応図

書館のお財布と相談しなくちゃととりあえず予約。でも一目見た時から「うちの

図書館に来る運命」と勝手に思い込み、購入は決まっていたようなものでし

た・・・。

  どんなの?って?説明するのは難しいので、ご来館ください。とにかく

いい感じ。 届けてくださったスタッフの方たちとも仲良くおしゃべり。ちょうど

図書館のマスコット、二体のマリオネットの制作者Nさんも訪ねていらしたので

みんなで話が弾みました。絵本大好き、という大人たちが集まった午後でした。

 さて、そんなステキな書架が届いたのですけれど、図書館は空調と照明器具

入れ替えの工事中です。予定よりも時間がかかることになり、開館時期も5月

末ごろになりそうです。

  図書館再開後は予定している企画をどんどん、と思っています。また

また忙しくなりそう・・・。

4月18日(火)

  週末土曜日、平塚の図書館は休館中。私は午後から新宿朝日カルチャー

に出かけ、3時半から先ず荒川洋治さんの講座「心に残る文学作品―作品の

歴史」、その後6時半から「絵本時評」、小野明さんと広松由希子さんの対談を

聞きました。

 荒川さんの講座はいつものように大変参考になる文学案内のお話で今回は

深沢七郎『楢山節考』について詳しく聞きました。原作を読んだことがなかった

ので昨日早速新潮文庫を買ってきました。荒川さんのお話を思い出しながらじっ

くり読みたいと思います。

  小野さんと広松さんの絵本についての対談の企画は前にもあって受講した

ことがあります。広松さんとは3月の「子どもの本の日フェスティバル』の中の

プログラムの一つ、座談会でご一緒するはずだったのですが、11日の大震災

でそのイベントが中止になり、始まる前に先ずご挨拶。広松さんはまるで

どこかへ旅行に出るかのようなキャリーバッグにたぁくさん絵本を詰めて

持っていらっしゃっていました。

  小野さんと広松さんの息もぴったりの対談、今年1月から3月に出た絵本が

次から次へとまな板の上に上がります。絵本のページがスクリーンに映し出さ

れお二人による読み聞かせから始まり、次にその絵本についてのあれこれ意

見が交わされる形の講座です。

 広松さんの読み聞かせはとっても良くて、心がゆったりします。絵本につい

て結構厳しい評をなさるのですが、あの優しい口調のためか、きつくは聞こえて

こないところがまたいいな、と思います。自作自演の『うらしまたろう』、これはも

ういうことなし、でした。飯野和好さんの絵がまたいつも飯野さんのイメージとは

ちょっと違っていて広松さんの文ともぴったり。『うらしまたろう』のおはなし、海

辺でいじめられているカメを助けて・・・というものではありません。ちょっと大人

の『うらしまたろう』です。早速本屋さんに直行しなくちゃ。

  先日亡くなった岸田衿子さんの作品も取り上げられました。うちの図書館が

リニューアルオープンした時に第一回目の講演会を岸田さんにお願いするつも

りで岸田さんとは何回かお電話でお話をしたことがあります。結局体調をお崩し

なって、実現できなかったことが残念でなりません。その岸田さんの『もじゃ

らんこ』、広松さん大絶賛でした。コレもすぐに買わなくちゃ。

  土曜日、私は半日楽しい本のお話とともに過ごす幸せな午後でした。

4月11日(月)

  咲き遅れていた桜も満開、昨日の日曜日自宅付近でもすっかり春の装いで

近くへお花見という人たちがたくさん歩いていました。

  上の娘が無事大学生になり、私も今年は週に一度大学へ通うことになって  

何だか不思議な感じです。私が向かうのは千葉にある女子大学。息子がいな

い私には「女子大」は何となく安心です。(安心していていいのかな?)

 私の担当するのは前期図書館サービス論、後期児童サービス論。やっぱり

児童サービス論のほうが進めやすいのですけれど・・・。私もイチから勉強するも

りで、とスタートを切ったところです。

 私たちの学生時代には考えられないモダンな建物、恵まれた設備。これなら

学費を出しても、とすっかり親の気分で様子を眺めながら、まず教務課、そして

講師控え室へ。授業の入れ替えの時間になると各フロアーは女子学生であふ

れ、その様子には圧倒されます。私のクラスは教室いっぱいでした。最初の授

業は大学が開く司書課程のガイダンスもまだ、当然履修届けもこれからというこ

とでテキストを持っている学生もいないため、授業の進め方などを中心に説明す

る第一回目。学生の関心はやはり評価の方法や出席率のことでしょうか。90

人以上集まった学生は一年生についで4年生が多いことに驚きました。最後に

アンケートをとり、レポートの課題や授業の進め方についての意見を聞きまし

た。

 控え室に戻ってそのアンケートに目を通してまたちょっと驚いたことが

ありました。授業の中で図書館学とは関係のない一般の本の紹介を

したのですが、毎回本の紹介をしてほしい、と多くの学生が書いていたのです。

いわゆる私のおススメ本の紹介です。読み聞かせ、朝の読書、と小学生対象

の本の紹介、絵本の紹介をするものは多くありますが、逆にすっかり大人の大

学生へのそういう情報は少ないのかもしれません。

 基本的に読書は個人個人のプライベートな領域、自分の書棚を他の人に見ら

れるのは恥ずかしいものです。こんな本読んでるの?と人間の中身まで見透か

されてしまいそうです。だからこそ、いい本に出会うことが大切、という言い方も

できるわけで、その出会いに一役買うような情報を提供して、その中から学生

自身が自分で選択していけばいいのかな、とも考えました。そうなると

私自身の読書の充実も今後の課題に加わるか・・・。次の授業で紹介する本は

アレにしよう、っと。

4月6日(水)

  春らしい明るい日です。この暖かいお日さまに誘われて遠慮がちにしていた

桜もようやく美しい花を咲かせてくれそうです。

平塚駅の改札には新しい制服を着た初々しい高校生とスーツ姿のお母さん

が定期を買うために長蛇の列、この時期ならではの光景です。駅の構内は

節電中で暗いけれど、新しいスタートを切った若者たちはピカピカ輝いているよう

に見えますし、その様子はすがすがしく、こちらまで元気になるような気がしまし

た。

  さて、先日佐藤忠良さんがお亡くなりになりました。日本の具象彫刻にとっ

てとっても大切な人だった、と舞台美術家の朝倉摂さんは佐藤さんの死を

悼んでいらっしゃいます。彫刻の世界での活躍はもちろんのこと、描かれた絵も

とても素晴らしく私は大ファンでした。朝倉さんも「すごく絵がうまい。・・・木なん

か描かせるとびっくりするくらいうまかった。」と新聞記事に書いていらっしゃいま

す。まさにその「木」が絵本になった木島始さん作『木』(福音館書店)やロシヤ

民話『おおきなかぶ』{福音館書店)など、佐藤忠良さんの絵の力が果たす役割

の大きさはいうまでもありません。

 お話もステキで大好きな杉みき子さんの風景をテーマに45の小品を集めた

『小さな町の風景』(偕成社)の挿絵も佐藤さんだったことを思い出して

本棚からこの作品を引っ張り出してみました。何だか懐かしく温かな匂いが

お話からも挿絵からも感じられる一冊です。長崎源之助さん逝去のニュースも

その数日後に伝えられました。児童文学の要人がご高齢になって姿を

消してしまうのは淋しい限りです。

4月2日(土)

  震災による停電や交通事情から休館にしていましたが、今日2週間ぶりに

平塚へやってきました。しばらく留守にしていたので、どんなかと様子を見るつも

りで来たため、室内も極力節電、暖房もつけずにゴソゴソ片づけたり書類の

整理をしていると、ドアが静かに開きました。もうすっかり顔なじみのおばさま、

「まだ開きませんか?」と控え目にお尋ねです。「どうぞどうぞ、今日久しぶりに

来たんです。また建物全体の空調の工事が始まるので今月はこのまま休館

にしようかどうしようか検討中ですけれど今日はお入りください。」その方は

イースターの卵のデザインで参考になる本を探しにいらっしゃったのですが、

うちにはあいにく見当たりません。こういう時こそパソコン、と早速調べてプリント

アウト。お役に立てたようでした。そのうちにRくん、Kくん兄弟とおとうさん、

おかあさんが登場。「開いてた!」いつもの笑顔でご機嫌のKくん、本に熱中す

るお兄ちゃん。「久しぶりだね、元気だった?」しばらくすると今度はSくん親子、S

くん今日はお父さんと一緒です。もうすっかり顔なじみの二組の親子、そこへ今

日が初めてというSくんとお父さん。3人は同学年ということが判明。幼稚園はバ

ラバラでも小学校は一緒かな?3人のおとうさんはそれぞれ坊やたちに本を読

んであげていて、R/Kくんのおかあさんと、「今日はおとうさんがんばってます

ね。」とニコリ。

 お休みしていたけれど、開館を待っていてくれる子どもたち、おとうさん、おか

あさん、地域の方々がいるんだな、と嬉しくなります。

 またしばらくお休みします、と言えなくなっちゃった・・・。築23年になる図書館

の空調設備、いよいよ部品がなくなり修理ができないとのことで、今月連休前

から大々的な工事に入ることになりました。気候のいい時を選んでの工事で

す。ごめんなさい。再開の時には今日来館の4組の皆さんには真っ先にご案内

をさしあげます。どうぞよろしく。