本のしょうかい
『きみがしらないひみつの三人』
ヘルメ・ハイネ 作 天沼春樹 訳
徳間書店
きみはこの三人を知っていますか?タイトルにあるようにきっと知らないはず・・・。でもきみが生まれた時に三人はやって来て、君の体の中に入り込み、きみの命が無くなるまで、ううん、きみが亡くなってからもそれはそれはよく働いてくれる大切な大切な三人組なのです。
では三人を紹介しましょう。まずはアタマはかせ。はかせは常にペンを手にきみの頭の中の屋根裏部屋で活動しています。きみが見たこと、聞いたこと、感じたことをすべてカードに書き留めているのです。
次はハートおばさん、左の胸に住みつきます。手にはいつもハート形の葉っぱを持って、きみのいろいろな気持ちのお世話係をしています。ビショビショになったハートを乾かしたり、クシャクシャになったハートにはアイロンをかけてくれたり、ハートを大事にしまっておりたりしてくれます。
それから太っちょ胃袋おじさん、きみの胃袋の中で入ってきた食べ物をあれこれ調整している人です。きみがお腹を壊さないように常にいろいろな道具を準備して仕事をしています。
この三人、いつもはチームワークよく仕事をしているのですが、ときどきバランスを崩して喧嘩もする・・・するときみの調子が悪くなる・・・そんな時はお医者さんが仲直りするように注射をしたり薬を処方してくれるというわけです。
三人はいつもいつもきみの味方、ずっと一緒。でもきみの命が無くなった時にお仕事も終わり?いいえ、三人にはまだまだ仕事が残っています。どんな仕事?それを知ったきみはますますこの三人に感謝したくなるはず・・・。きみはこんなふうに体の中の三人に守られていることに気づいていましたか?
現代のドイツでもっともよく知られ愛されている絵本作家のハイネさんのステキな作品、大人も一緒にどうぞ。