
本のしょうかい

『クリスマス・オールスター』
中川ひろたか 文 村上康生 絵
童心社
やって来ました、クリスマス!今日はみんなが楽しみにしていたクリスマスです。子どもたちが飾りつけしたクリスマスツリーを囲んで、サンタの話をしていると、押し入れの方から声がしてきました。
「いいな、いいな。わたしだって クリスマス してみたい」その声の主はおひなさまでした。十二単衣のおひなさまは何とドレスをプレゼントしてもらいたい、おだいりさまはシャンパン飲んだりケーキを食べたりのクリスマスパーティーに参加したいと言うのです。
すると、今度はこいのぼりのサンタクロースにあってみたい、一緒に空を飛べたらすてきだろうな、という声が聞こえてきました。そのあと、押し入れの中でそれぞれの季節の出番を待っているいろいろなものたちからの「クリスマスやりたい」コールが・・・。
「だったらみんなでておいでよ」この嬉しいお誘いに出てきた、出てきた、季節の主役たちが押し入れの中から続々姿を現わしました。
お正月メンバーの凧、門松、餅つきセット、お次は夏に活躍する麦わら帽子、うき袋、ビーチボールに扇風機、蚊取り線香、運動会に欠かせない綱引きの綱や玉入れ。秋の代表サツマイモ・・・。
みんなでケーキを囲んでいると、雪が降ってきて主役の登場です。ほんとにほんとに賑やかで楽しいクリスマス―ティになりました!!
中川ひろたかさんと村上康成さんコンビによる人気の「ピーマン村」シリーズのファンには特にうれしい一冊かもしれません。「さつまのおいも」のさつまいもくんがクリスマスリースの穴から必勝のハチマキをしてひょっこり顔を出している表紙を見るだけで、どんなお話?とワクワクしてきます。
クリスマスだからこそ季節のスターたちが勢ぞろいして愉快な時を過ごすユーモアたっぷりのクリスマス絵本です。各ページに現れる男性は絶対に中川ひろたかさんがモデルですよね?村上さん。