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そだててみたらの表紙画像

『そだててみたら・・・』
スギヤマカナヨ 作・絵

赤ちゃんとママ社

「ぼく」の家の近くにたねやさんが開店しました。たねやさんなんて自分には関係ないと思っていたぼくですが、ある日そのたねやさんを訪ねることになります。

学校で、種を育てて日誌を書くという宿題が出たのでした。

ぼくはたねやさんへ出かけお店のおじいさんに相談すると、何の種だかわからない「おたのしみ 話のたね」を渡されました。

ぼくはもちろん、おじいさんもそれが何の種か知りません。一体いつ、どんな芽が出るのか、どんな花が咲くのか、実はなるのか・・・。わからないからこその不安と期待のドキドキ!

生き物を育てるにはあまり手をかけすぎてはいけない、力を抜いて“はぐくむ”ことが大切、とおじいさんから教わります。種がもっている命の力を信じて、いつかは咲くだろうと待つことだとおじいさんは言います。

おじいさんのこの言葉は子育て中のおとうさん、おかあさんの心にも響くものではないでしょうか。

スギヤマカナヨさんはアメリカの児童発達学の教授のシンポジウムで「子どもたちは生き物を育てることで相手が望むものを理解しようとし、おもんばかるちからが芽生える」という話を聞いたそうです。そしてお世話をしている、と思っている側が実は相手から多くのものをもらっていたことに気づいた、とあとがきで記しています。

植物の種を通じて、育てることで自分が育ててもらっているのだな、と改めて感じる一冊です。

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