
本のしょうかい

『ずんずんばたばたおるすばん』
ねじめ正一 文 降矢なな 絵
福音館書店
おかあさんは買い物にお出かけです。「いってらっしゃーい。」ドアがバタンとしまったとたんに天井からこザルがいっぱい下りてきて靴磨きを始めました。
押し入れの布団の中にもぐり込んでいるのはナマケモノたち。ベランダで洗濯物が飛ばないように頑張って見張っているのはリスとモグラ。
冷蔵庫の前で涼むペンギン、ゾウは重たい体で狭い階段を上がろうとしているし、ぼくの部屋ではカピバラがフラダンス、ぼくも一緒におどっちゃおう。ろうかですもうをとっているのは誰?
クジラもいます。お風呂場で潮を吹きながらお掃除しています。ぼくも裸になってお手伝いするよ。
お留守番の間に次から次へと動物が登場して一緒に遊びまわって、ぼくのうちは大騒ぎ。
あっという間にお母さんが帰ってくる時間です。ずんずんばたばたのお留守番もこれでおしまい。男の子は何事もなったようにおかあさんを出迎えます。
ぽうや、靴やスリッパが飛び散っているけれど、犯人はだれかな。あわててシャツを着たの?裏返しなんじゃない?
ねじめさんと降矢さんによって男の子の子どもらしく楽しい想像の世界が繰り広げられていきます。縦開きならではの迫力ある構図も魅力的な一冊です。