
本のしょうかい

『はりねずみのはりこ』
なかやみわ 作・絵
福音館書店
森の中に「テーラーはりはり」という看板の下がったお店があります。はりねずみのはりこのおばあさんがやっている洋服屋さんです。
お店の中をのぞいてみると、いました、いました、はりこちゃん。ワンピースを縫っているおばあさんの横でじょきじょきとはさみを手にお手伝いをしています。
はりこは縫いあがったワンピースをねずみのちゅーこのところへ届けに行きます。赤い可愛いワンピースはちゅーこにとっても似合いました。「いいなぁ、わたしも着てみたいなあ。」お店にもどったはりこがハンガーにかかっていたワンピースをこっそり着てみると・・・。
次の日はひつじのモコにマントを届けました。「いいなあ、わたしも着てみたいなあ」。ふわふわの毛をモコにつけてもらったのですが・・・。
その翌日は、きじのジッキ―にマフラーのお届けです。マフラーを巻いたジッキ―はとってもすてきです。いいなあ、「わたしもこんなおしゃれをしてみたいなあ。」
ジッキ―がいいことを思いつき、まず2人は森で葉っぱや実をたくさんとって来ました。それからいろいろな色の実を作り、それをひとつひとつはりこの背中の針の先につけてみたのです。
「わあー、すてき!」はりこもうっとり、大満足だったのですが 、帰りに雨にふられて・・・。はりこのがっかりする様子を見て、おばあさんが夜なべしてはりこに作ってくれたものは・・・。
おしゃれをしたい女の子の気持ちがほのぼのと伝わってくるなかやみわさんの作品、どのページを開いても細かいところまで本当に可愛らしく、楽しくなる絵本です。