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本のしょうかい

まっくろの表紙画像

『まっくろ』
高崎卓馬 作  黒井健 絵

講談社

ここは小学校の教室、図工の時間がやってきました。「みんなのこころにうかんだことをかいてみましょう」

真っ白な画用紙にみんなはクレパスを使って色とりどりの絵を描き始めました。

ところが一人だけ画用紙を黒で塗りつぶす男の子がいます。男の子の机の上には何枚もの真っ黒な紙が並びました。

先生も友だちも目が点になりました。先生は「ちゃんとした えを かきなさい」と困りました。でも男の子はひたすら黒いクレパスを手に何枚も何枚も画用紙を黒くしていきます。それは家に帰ってからも続きました。

いったいどうしたのか、と保健室に連れていかれ、みんなは心配そう。それでも男の子は描き続けます。もうあちこちまっくろくろくろ、まっくろけ。

そして男の子がついに手を止め、黒い画用紙を床に並べ始めた時・・・。

黒いページの連続は、ふつう何だか気味が悪かったり怖かったりするのですが、なぜか柔らかくて優しくて心が落ち着きます。

20年ほど前に高崎卓馬さんがプロデュースしたCM「imagination/クジラ 子供から創造力を奪わないでください」 (当時、公共広告機構)を見た絵本作家の黒井健さん、何とか絵本にしようと長年試行錯誤して生まれたのがこの一冊。

高崎さんの幼い頃の体験がもとになっているそうで、高崎さんの子どもへの深い思い、大人へのメッセージがジーンとが伝わってきます。

「黒い」場面がいっぱいでてくる作品を「黒井」さんが手掛けた、というのも何だか楽しい!

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