
本のしょうかい

『ありえない!』
エリック・カール 作 アーサー・ビナード 訳
偕成社
さぁ、エリック・カールさんによる『THE NONSENSE SHOW』(原題)のはじまり、はじまり。
バナナの皮をむくと中から黄色い鳥が登場、ヒヨコ? 表紙を見ただけで何だかワクワク。
中表紙は、というと今度はシカの角の先には美しい花がたくさん咲いています。角は花瓶?それとも角から植物が生えてきた?
カンガルーのお腹の中から顔を出しているのは・・・
水槽で泳いでいるのは鳥さん。息ができないけれど、喉は乾かないよ、なんて言っていてちょっとのんきじゃない?鳥かごではこここじゃあ、ひれが渇いて干物になっちゃうと嘆く魚さん。
燃料がないタクシーはどうやって走る? こっちをにらんでいるのはトラ?ヒョウ?体の模様が上半身てんてん、下半身はしましま、どうなっているの?
次から次へと続くシーンは「ありえない」はずなのに、もしかしたら、ありえる?と想像がふくらみ、楽しくなること間違いなしの一冊です。
明るい色彩のダイナミックなカールさんの作品はいつも私たちを元気にしてくれます。アーサー・ビナードさんの訳がまた絶妙。
今年5月に亡くなったカールさんが、ちょっと行き先間違えちゃった、と天国から戻ってきてくれたらいいのになぁ。でもそれはやっぱりありえない?!