
本のしょうかい

『カ どこいった?』
すずきのりたけ 作
小学館
プーンという音とともにやってきて、チクリと刺して飛び去って行く蚊は本当に鬱陶しいものです。そんな時、この絵本を開いて、蚊を退治してスカッとしてみませんか。
左のページに描かれているのは手の甲にとまってじっとしている蚊、右のページには描かれているのは大きな手。思いきりめくってはさんでやっつけよう、という鈴木のりたけさんの指示に従って、さあ、ページをパーンとめくりましょう。
命中したかな、と思ったら、すばしこい蚊は逃げてしまいました。「カ どこいった?」
いました、いました、積み木の上。もう一回、せーの、と勢いよくページをめくると、ガチャーンと積み木がくずれるだけで、蚊はまた逃げました。「カ どこいった?」
今度はどこへ? エッ、ケーキの上!? せーの・・・。
ピアノの鍵盤の上、玄関のチャイム、砂場、と自由自在にいろいろなところに止まる蚊を、パーン、バチンとしとめようとするのですが、なかなかうまくいきません。「カ どこいった?」
蚊は家から飛び出して公園へ、ビルの上へ、とうとう月の表面へ、そして最後は・・・。
ページが進めば進むほどこの一匹の蚊が鈴木のりたけさんのユーモアあふれる世界へと私たちを導き、楽しい気分にしてくれます。蚊とのバトルのイライラも面白いものに変わります、きっと。