本のしょうかい
『はいいろひめさま かぞえうた』
ささき まき 作
絵本館
はいいろの世界に暮らす幼い“はいいろひめさま”は退屈していました。
「ひとつ ひとりぼっちの はいいろひめさま」、何か面白いことないかしら、という顔をしてペロペロキャンディをなめています。
「ふたつ ふくれておりました」、ラケットが2つあっても一人ではバドミントンもできません。
そこへ「みっつ みんなが やってきて」、やってきました、3本のローソクを立てたケーキを持って遊び仲間のネコくんたちが。
それからみんなでお行儀よくテーブルについていると、今度は4種類のやまもりのごちそうが運ばれてきました。「よっつ よろこぶ おひめさま」、はいいろひめのお父上、王様もいつの間にかそばにいて、ちょっと食べたそうに見ています。
さあて、それからが大変。「いつつ いつもの おおさわぎ」、「むっつ むちゃくちゃ おおさわぎ」、とかぞえうたとともにはいいろひめと仲間たちのさわぎはエスカレートするばかり!!
「とおで とうとう しかられた」、みんなのやりたい放題が王様に見つかってしまったのです。
でもね、さいごはみんな静かになって王様も一緒に総勢9人でジュースを飲んだの。ジュースの入ったグラスは11個。むこうのお盆の上に残っているジュースはだれのものなのか、と全員の視線がその2つのグラスの方に注がれています。
灰色のページに1つのペロペロキャンデイ、2本のラケット、3本のろうそく、4皿のごちそう、と新しく登場するものだけが色付きでくっきり描かれていてわかりやすく、数や色の勉強にもぴったり。
テンポの良いかぞえうたとユーモラスな絵に次の展開は?とわくわくします。それに数が1から10という設定ではなく、半端な11までになっているところがさすがにささきまきさんらしいセンス!と楽しくなる一冊です。