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こねこのチョコレートの表紙画像

『こねこのチョコレート』
B・K・ウィルソン 作  大社玲子 絵
小林いづみ 訳

こぐま社

明日は弟クリストファーの誕生日です。お母さんと買い物に出かけたお姉ちゃんのジェニーは100円玉を持ってわたしもプレゼントを買わなくちゃとはりきっています。

最初におもちゃ屋さんに行き、お母さんはたくさんあるおもちゃを一つ一つ丁寧に見て考えた後、4枚のプロペラのついた青と白の大きなヘリコプターを選びました。

次はジェニーの番です。お菓子屋さんで動物のチョコレートを買うことにしました。ここでもいろいろなお菓子やチョコレートが並んでいます。

ジェニーはこねこの形をしたチョコレートを選びました。8個も入っている箱入りです。箱にはうちで飼っている黒ねこのティブルの小さい時のようなかわいいこねこの絵が描かれています。

家に帰るとお母さんがヘリコプターを食器棚の中に隠したように、ジェニーもチョコレートを自分の部屋のたんすの中に隠しました。

そしてその夜、なんとチョコレートは8個全部ジェニーのお腹の中へ・・・。

一つ味見をしてみたジェニーはおいしいチョコレートの誘惑に勝てません。まだ7つもあるんだしクリストファーはおこらないわ、とか、おなかの中のこねこのチョコレートがひとりぼっちではさびしがっている(なんてかわいい、でも都合の良い言い訳!)、とか言いながら結局8個食べてしまったのでした。

翌日クリストファーのお誕生日、どうなることかと読み手はハラハラドキドキ・・・。もちろんチョコレートの箱な空っぽです。でも反省する幼いジェニーを家族は責めることなく温かく見守り、飼いねこのティブルまでステキな協力をしてくれたのです。

甘いチョコレートを思い浮かべ家族の愛情を感じなんだか幸せ、心が満たされる一冊です。

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