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本のしょうかい

おとうさんの表紙画像

『おとうさん』
秋山とも子 作

瑞雲舎

朝7時過ぎ、家族そろって朝ごはんの時間です。それから仕事に出かけるおとうさんを見送って、今日もそれぞれの一日が始まりました。

ところで「いってきます」と出勤したおとうさんは「ただいま」と帰ってくるまでどんなふうに過ごしているのか知っていますか。みんなで追いかけてみましょう。

家を出たおとうさんはまずバス停に向かいます。おとうさん、そっちの道に出ると遠回りじゃない?でもお家のまわりの様子を空の上から眺めてみると、なるほどとわかります。

バス停にはもう何人もの人が並んでいます。おとうさんはバスに乗って満員電車に揺られて会社に向かいます。電車の中も駅の構内も町も人でいっぱい、朝の活気を感じます。

こうしてようやくおとうさんも会社に到着しました。いよいよお仕事開始です。おとうさんは「アンファン」というこども服を扱っている会社で働いているようです。

電話でのやりとり、打ち合わせ、商品のチェック、搬送の確認、デザインの相談、上司への報告・・・いろいろな場面におとうさんが登場します。おとうさん、一生懸命働いています。

夕方6時過ぎに仕事が終わり、会社の人と焼き鳥屋さんに寄って「ごくろうさま」の一杯。

ケーキ屋さんにも寄って、朝と同じ道順で帰宅します。ちょっとお酒を飲んでいるおとうさん、ケーキの箱の中身はくずれていないかな。おとうさん、今日もお疲れさまでした。

これはおとうさんにスポットを当て絵だけで働くおとうさんの一日を伝える秋山とも子さんの作品です。

電車や駅、町の中にいるおとうさんを楽しく探しながら、携帯電話やパソコンがなかった少し前の時代の生活をのぞくこともできる一冊。ホームやお店の中でタバコを吸う姿も、今では見られない光景です。大人も子どもと一緒に是非どうぞ。

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