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本のしょうかい

ふたごのうさぎの表紙画像

『ふたごのうさぎ』
ダフネ・ロウター 作

NHK出版

「むかしむかし、あるところに、ふたごのうさぎがくらしていました。ふたりはとても仲良しで、あいぼうのニワトリともいつもいっしょです。」

帯にはこんな説明がありますが、作品自体は文字のない絵本です。ただただふたごのうさぎの日常がそれはそれは美しいタッチの絵で描かれていきます。

作者のダフネ・ロウターさん自身も男の子と女の子のふたごの子どもを持つお母さん。だからこのふたごのうさぎも男の子と女の子。

やんちゃな男の子とおしゃれでお姉さん的な女の子の様子がとてもよく伝わってきます。

仲良しのふたりはいつも一緒に行動していますが、興味や遊びはちょっとずつ違うところもあって、それがまた子どもらしく可愛らしくて、楽しくなります。

一日の時間、そして季節がこの絵本のように穏やかに流れていくといいなぁ。ふたりの暮らすお家の雰囲気、部屋の様子、調度品・・・大人もなんだかうっとり。メルヘンの世界に引き込まれていくようです。

ロウターさんは鳥がお好きなのでしょうか。あいぼうのニワトリの他にもいろいろな鳥が登場しています。

また左のページに示されたもの(例えば風船)が、右側のページに描かれたお部屋の中に必ず出てきます。それを探しながら自分がこのふたごのうさぎになってみたり、お話の語り手になって想像力を働かせてみたり、と自由な読み方ができる作品です。

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