
本のしょうかい

『3人のママと3つのおべんとう』
クク・チスン 作 斎藤真理子 訳
ブロンズ新社
ハナマンションに住む、ジソンさん、ダヨンさん、ミヨンさんの3人には、それぞれみんな「ほしのこようちえん」に通う子どもがいます。
子育て真っ最中のママ3人は季節の移り変わりにも気づかないくらい、それぞれの仕事に没頭する毎日です。
ジソンさんはタンタン建設で働くキャリアウーマン、次長さんです。仕事も家のこともちゃんとやりたいと思っているのですが、なかなか上手く行かないようです。
ダヨンさんは締め切りに追われ徹夜になることもある絵本作家さん。カレンダーに大事な予定を書いておいても忘れてしまうことが多いようです。
専業主婦のミヨンさんは3人の子どものお世話に毎日奮闘しています。「ほしのこようちえん」には上の2人が通っています。毎日たくさんのことをしているのに、時々なんにもしていないような気持ちになるそうです。
さて、今日はようちえんの春の遠足、ママたちも早起きしてお弁当作りに力が入ります。もちろんミヨンさんは2人分作っています。
子どもたちにお弁当を持たせて送り出した3人のママはそれぞれ自分の持ち場に戻って忙しく活動している頃、子どもたちは春いっぱいの自然の中で元気に遠足を楽しんでいます。
でもママたちはまだ春がやってきたことに気づいていません。そして・・・。
小さい子どもを持つ現役ママに特におすすめの春の一冊です。作者の韓国の絵本作家、クク・チスンさんは2人の子どものママで、お弁当作りは下手、得意はうっかりと紹介されています。
ほんわりした色彩のこの絵本を読みながら子育て中の気持ちに共感するママ、こんな風だったわね、と懐かしくなるママ、いろいろな年代のママの笑顔が浮かんでくるような気がする絵本です。