
本のしょうかい

『おつきさまひとつずつ』
長野ヒデ子 作
童心社
おばあちゃんのお家からの帰り道、あこちゃんは夜空にまんまるのおつきさまを見つけました。今夜は満月です。
美しいおつきさまを見上げながらあこちゃんとおかあさんはとっても楽しそう。おつきさまのことを歌にしたりして。
それからあこちゃんはおかあさんに質問を始めました。「なんきょくにも おつきさま あるの?」「あるわよ」「ふーん」
そしてまたこう質問します。「アフリカにも おつきさま ある?」おかあさんの答えは今度も「あるよ」、するとまたまた「じゃあ、アメリカは?」「もちろんあるわよ」
それから中国、イギリス、ベトナムにもあるのかと確認するように質問するあこちゃん。おかあさんの答えは全部「ある」です。
あこちゃんは自分が知っている国を全部出してお母さんに聞いたのでした。幼いあこちゃんはまだこれしかよその国を知りません。でもこんなにきれいなおつきさまを世界のみんなは見ているのかな、見せてあげたいな、と心配するのでした。
そして「おつきさまは みんな ひとつずつ あるんだね。 よかったね」とあこちゃん。おかあさんはあこちゃんのことばをいいなぁと思います。
あこちゃん、みんなにちゃぁんとひとつずつおつきさまがあってほんとによかったね。
子どもはあこちゃんの質問にうなずきながら、大人はあこちゃんの子どもらしい問いと子どもらしい反応に温かい気持ちになりながら・・・親子で一緒に読んでほしいおすすめのこの一冊は長野ヒデ子さんの最新作です。