
本のしょうかい

『このほんよんでくれ!』
ベネディクト・カルポネリ 文 ミカエル・ドゥリュリュー 絵
ほむらひろし 訳
クレヨンハウス
「このほん よんでくれ!」と言われたらどうしますか。それもオオカミに言われたら。読んであげますか。
ある日オオカミは公園で本を読んでいる親子に出会います。女の子がお父さんに読んでもらっている本、とってもおもしろそうです。どんな展開になるのか、オオカミはすっかり本に夢中。
でも、親子は最後まで読まずに途中で本を閉じて帰ってしまいます。ダメダメ、まだ終わっていないとイライラするオオカミ。
すると、親子は本を落として行きました。これで続きが読めるぞ。
ところが、オオカミは自分が字が読めないことに気づきます。
いろいろな動物に読んでほしいと頼みますが、みんなオオカミを怖がって逃げて行きました。
そんなとき、心優しいウサギがオオカミの頼みを聞いてくれたのでした。ウサギは最後まで読んであげると、もう一回読んでとリクエストされ翌日も読んであげました。
自分で本が読めるようになりたいと思ったオオカミが次にウサギに頼んだことは・・・。そしてその後どうなったのでしょうか。
本の帯には“奇跡というのか、魔力というのか、「本」はこういう優しい風景をたびたび生み出す“という又吉直樹さんのことばが心に響く一冊です。