
本のしょうかい

『かえるのかさやさん』
戸田和代 作 よしおかひろこ 絵
岩崎書店
雨の音で目を覚ましたかえるのかさやさんは雨が大好き。今日もお仕事がんばるぞ、とまずはお店にかさを並べます。
それから雨の音をバックに顔を洗い、着替えをして、食事のしたくをするのは最高の気分です。雨の音を聞くためにラジオの音も小さくしたりして。
でもお昼になってもかさやさんにはちっともお客がやって来ません。それもそのはず、かえるの仲間はみんな雨が好きなんですから。
そこでかえるさんはかさをさして散歩に出かけました。かさがほしい人はいないかな。
かえるのおかあさんは雨にぬれたせんたくもはいいにおいがするとご機嫌です。途中で会ったとかげくんもつゆくささんもかさはいらないようです。
それでもかえるさんはおうちに帰ってみんなに喜ばれるかさ作りをします。
そこへハリネズミさんがやってきました。穴の開いたかさをいっぱい持って来て修理をしてほしいというのです。
かえるさん、考えました。そのかさ、修理しなくても使える!それはそれはとってもいいアイデアでした。
みんなが勢ぞろいして楽しそうにかさをさすラストのページに思わず拍手。
「ぽっつん つん」「ぽっつん ぽっつん」「ぽとぽと ぽととと・・・」「ぽつぽつ とつとつ ぱららん らんらん」「ぼどど どどど」かさに落ちる雨のいろいろな音聞きたいな、と雨の日が楽しみになる一冊です。