
本のしょうかい

『おかしなゆき ふしぎなこおり』
片平孝 写真・文
ポプラ社
この冬、雪を見ましたか。おうちの周りに雪が積もりましたか。
雪が降らない地方のみなさんもこの絵本で雪国の風景を感じてください。まず表紙の屋根に積もった帽子のような雪にびっくりします。
ページをめくっていくと、岩や車やポストの上にほんわり、ぽったり、どっさり積もった雪が登場します。木に積もる雪は風とのコラボレーションで面白い形を残しています。
ふかふかの雪のじゅうたんの上には誰が残したのか、まるでアートのような足跡が。
氷だって雪に負けていません。冷たそうだけれどつららの美しさはまた格別です。
「本当に寒いと滝だって、波しぶきだって凍ってしまうのだよ、ほら、このとおり」と片平さんの写真が教えてくれます。
こんな雪や氷も、もともとはふつうの水であること、最後の解説を読んでなるほどと改めて納得。もう一度最初のページからその水の変身ぶりを観客になった気分で眺めてみたくなります。
ポプラ社の身近な生き物のくらしにひそむ不思議を美しい写真で紹介する写真絵本シリーズ、「ふしぎいっぱい写真絵本』の中の一冊です。