本のしょうかい
『ぼくのたび』
みやこしあきこ 作
ブロンズ新社
ぼくの働いているホテルは小さいけれど居心地がよい自慢のホテル。
ぼくはこの町から出たことがありません。世界中からやってくるお客さんの話を毎日聞いては旅に憧れます。
一日の仕事を終えたぼくは夢の中で飛行機に乗ってまだ行ったことのない知らない場所へ、知らない場所へと出かけます。お客さんから聞いた話を胸に大きなかばんを持って。
海を眺めながら風に吹かれる快さ、友人が集まるパーティの楽しさ、突然目の前に現れた虹の美しさ、だれも知らないところを一人歩くセンチメンタルな気分・・・。夢の中で自由に旅をするぼく。
そして夢の中で旅をしながら自分の町が恋しくもなるぼく。
旅が大好きというみやこしさんが初めてリトグラフで描き上げた美しい美しい絵本です。