
本のしょうかい

『まよなかかいぎ』
浜田桂子 作
理論社
ゆうきくんは小学一年生。今日も学校で元気いっぱいがんばってきました。
さて、真夜中になって、ゆうきがぐっすり眠っているころ、ゆうきくんのへやでは毎晩会議が開かれるようになりました。一体誰がどんな会議をするのでしょう。
ほら、メンバーがランドセルの中から出てきました。そう、ゆうきくんと毎日一緒に学校で過ごしているえんぴつやノート、クレヨン、消しゴムに定規たち。カスタネットまで登場してみんなで輪になりました。
司会進行はあかえんぴつさんです。今日、ゆうきくんはえんぴつをきちんと持って字が書けたとえんぴつさんが話せば、まちがえた時にえんぴつでギイギイぬりつぶさずに私を使ってきれいに消してくれた、と消しゴムさんがニコニコ顔。
こんなことがあった、こんなことができるようになった、でもまだここはもう少しだね、とそれぞれがゆうきくんの一日の様子を報告しあいます。
みんなゆうきくんのことが大好き。ゆうきくんの応援団です。
こんな会議が開かれていると知ったらゆうきくん、きっと喜ぶことでしょう。ひみつだからこそステキなのですが。
大人もなんだかうれしくなり、ランドセルの中のみんなにありがとう、これからもよろしくね、と声をかけたくなります。