本のしょうかい
『おおいそがし こいそがし』
ユン・クビョン 文 イ・テス 絵
小倉紀蔵 黛まどか 訳
平凡社
実りの秋がやってきました。山あいの村に暮らすマルの一家は毎日収穫の作業におおいそがしです。
庭のけいとうの花が真っ赤になると、じいちゃんはトウモロコシを干し、ばあちゃんはゴマの実をとります。
だんだん畑のそばの花が真っ白に咲くころ、ばあちゃんはトウガラシを干し、そのうち田んぼの稲の刈り入れ時がやってきます。柿の木の実が真っ赤にうれて、父さんが柿おとし、じいちゃんは柿ひろい、ばあちゃんとかあちゃんは干し柿つくり・・・。その横でマルも一生懸命お手伝いします。
もうおとなたちはおおいそがし、おおいそがし!マルもこいそがし、こいそがし!
でもまだまだ秋の仕事は続き、いよいよ大事なキムチ作りへと突入です。周りではスズメ、ニワトリ、家ネズミ、リス、モグラ・・・とそれぞれエサを求めて動き回り、こちらもこいそがし!
韓国の田舎の暮らしが丁寧にえがかれる平凡社「韓国の四季の絵本」シリーズの秋の版です。
家族が一つになっては一生懸命働く姿が美しいなぁ、と素直に思えて、何だかすがすがしい気持ちにもなってきます。
ページを開くとわぁっと庭一面に広がる干した赤トウガラシの迫力にはきっと圧倒されるはず!