
本のしょうかい

『フワフワさんはけいとやさん』
樋勝朋巳 作
福音館書店
毛糸が大好き、編み物が大好きなフワフワさんのお勤め先はけいと屋さんです。
フワフワさんの仕事は毛糸を売ること、お客さんの注文に合わせていろいろなものを編むこと、そして編み物教室で編み物を教えることでした。
さてフワフワさん、自分で編んだお気に入りのふわふわの帽子とチョッキを身に着けて張り切って出勤です。
今日は編み物教室の日、特に忙しくなるのかな、とフワフワさん、なんだか楽しそうです。
まず、ヨコスカさんが来店しました。注文していたインコ用の帽子を取りに来たのです。合唱団のインコ5羽のためにフワフワさんが一生懸命編んだ何ともかわいい赤い帽子5つ。大きさもぴったりです。ヨコスカさんとインコさんが大喜びしてくれてフワフワさんも嬉しくなります。
そして編み物教室にやってきたのははらまきタイツを注文していたクネクネさんとブティックシマさんでした。きょうはマフラーを編むようです。
フワフワさんが2人に丁寧に教えていると、おくさんが注文していた帽子を取りにやってきました。これから寒いところへ旅行するおくさんのためにフワフワさんは目と口だけが出る面白い形の暖かい帽子を編みあげていました。
おくさんが早速試着してみました。すると、なんと目と口の部分の穴がずれていて、どうもうまくありません。奥さんはこれでいいと言いますが、どうしても納得のいかないフワフワさんは・・・。
責任を持って仕事をするフワフワさん、それを見守るクネクネさんとブティックシマさんの温かい姿に読み手の気持ちもふんわか温かくなってきます。