
本のしょうかい

『へろへろおじさん』
佐々木マキ 作
福音館書店
遠くの町に住んでいる友だちに手紙を書いたおじさんはこれからポストへ向かいます。
上着を着て、お気に入りの帽子をかぶって張り切って部屋を出たのですが、何と階段にあったボールをふんで、だだだんっ。すべりおちました。
おじさん、気を取り直して外に出ました。すると今度は二階の窓でマットをたたいている女の人の手がすべり、おじさんの上にマットがどさっ。災難続きです。
それからネクタイの大好きなおじさんが洋品店の前で立ち止まりボォーッとウインドウのネクタイに見とれていると、ご婦人がおじさんの足に犬をつないでお店に入っていってしまいます。イヌに引きずられて洋服もネクタイも手紙もよれよれ、ぼうしは車にひかれてペシャンコ。
全く今日はどうしてこんなについていないのでしょうか。それでもおじさんは無事に手紙をポストに投函し終えヤレヤレ。
運の悪い事ばかり続いてへろへろのおじさん、公園で好物のアイスクリームでも食べて気分を変えようと思っていたら、またまた・・・。
でも最後は優しい母娘から美味しいプレゼントをうけとります。やっぱり甘いものは神さま?おじさんは幸せな気持ちになって二人にふかぶかと頭をさげたのでした。めでたしめでたし。
各場面のおじさんの表情も愛らしく、佐々木マキさんらしいユーモアあふれる絵本です。