
本のしょうかい

『ぼくのおじいちゃん』
カタリーナ・ソブラル 作 松浦弥太郎 訳
アノニマ・スタジオ
ぼくのおじいちゃんは、毎日とっても楽しそう。
のびのびと自由に時間を過ごすおじいちゃんはとってもステキなんだよ。どんなふうに自由でのびのびとしているかって?
それはおとなりに住む会社勤めのライトさんの生活とくらべてみるとよくわかるよ。
ライトさんはいつも時間を気にしている。必ず新聞を読む。たくさんの資料をかかえながら電話にもでなくちゃいけない。同時に2つの電話が鳴ることもある。急いでランチを食べて、自分の予定をチェックしながら買いもののレジに並ぶ、連絡はたいていメール、夜は疲れていつの間にか居眠り、移動はいつも車。ライトさんは常に時間に追われていて心も忙しいんだ。
それにくらべると、おじいちゃんの一日はカッコイイくらい気ままだ。
時計職人だったはずなのに今は時計を見ないし、いつの間にか新聞も読まなくなった。何をするにも時間をたっぷり使う。だから気持ちにもすごく余裕があるように感じるよ。おじいちゃんの一日はホントにステキ、ぼくはおじいちゃんがだいすきなのさ。
版画のようにところどころかすれた感じがする絵も魅力のこのポルトガルの絵本は、世界11言語で翻訳され、2014年ボローニャ国際児童図書展、国際イラストレーション賞に輝いた作品です。