本のしょうかい
『またおこられてん』
小西貴士 文 石川えりこ 絵
童心社
忍者ごっこが大好きな元気印のけんたろうくん。肩からまとった青い風呂敷マントを外しながら一緒にお風呂に入るおとうさんに「かあちゃん、ぼくのこときらいになってしもうたんかなぁ。」と不安そうに話します。
部屋をいっぱいにして遊んでいれば「かたづけやぁ~!」おなかいっぱいで食べられないの時にも「また こんなのこして~」帰りじたくがおそいと「はぁ・・また いちばんさいごかいなぁ」「なんで ごめんて いえへんのよぉ」おかあさんにおこられてばかりです。
そしてとうとう「もう あんたのおかあさん やめさせてもらいますっ!」といわれてしまったのです。おこりんぼマシーンのようなおかあさんは本当にぼくのことがきらいなのだろうか。心配するけんたろうくんにおとうさんが話してくれたことは・・・。
わんぱくぼうずの子どもらしいけんたろうくんの気持ち、けんたろうくんが大好きなおとうさんとおかあさんの気持ちが小西貴士さんの温かいことばと画面いっぱいに描かれた石川えりこさんの絵を通して胸にキュンと響いてきます。
「おはなしの持つ力」を大事にしたいと出版が始まった「童心社のおはなしえほん」シリーズの一冊です。