
本のしょうかい

『いもさいばん』
木村裕一 文 田島征彦 絵
講談社
今年も畑にりっぱなおいもができました。丹精込めて作ったおじいさんご自慢のおいもです。
ところが夜のうちに誰かがこっそり盗んでいきます。そこでおじいさん、自分そっくりのかかしを作って番をさせたり、なわでわなを作ったり、落とし穴を掘ったり・・・。
そしてとうとう犯人をつきとめます。ウリボウとイノシシがおいもをかかえて走っていたのでした。
わしの畑でわしが作ったいもをとるどろぼうはゆるさない、とおじいさんの怒りが爆発すると、思いもよらない動物たちからの反撃の声が上がります。
わしの畑ってだれがきめたの?いもは土の中で自分で育ったんでしょ?にんげんが畑を作って独り占めしている、どろぼうはにんげんの方だ・・・。さてさて、どちらが本当のどろぼう? ちょっと難しい問題です。まずはみんなで考えてみることが大切ですね。
テンポ良い木村裕一さんの文、そして田島征彦さんの描く力強くダイナミックな絵、人間や動物の表情が印象的です。