本のしょうかい
『なんでもないなつの日 夏の夕ぐれ』
ウォルター・デ・ラ・メア 詩 カロリーナ・ラベイ 絵
海後礼子 訳
岩崎書店
そろそろ夕方、でもお日さまはまだ高く、農家の家族が庭にそろってゆっくりお茶を楽しんでいます。ネコもやってきました。
ネコがネズミを見つけて追いかけると、お茶を飲んでいた子どもたち、イヌ小屋にいた犬までついていきます。納屋を通過するとそこにいたブタまで列に加わり、静かにえさを食べていたアヒルを巻き込み、牧場の前を通過。そこでは牛たちが夕日を浴びながらのんびりのんびり草を食んでいます。真ん丸真っ赤なお日さまも山の向こうへ姿を消し始めました。
さぁ、動物たちは夕ご飯、それぞれ餌をもらいます。そしてお腹がいっぱいになればおやすみの時間。
こうして今日もいつもと同じように一日が暮れていきます。特別なことは何もないけれどその繰り返しがいかに平和でありしあわせなことなのか。
英国の代表的な詩人ウォルター・デ・ラ・メアさんのことばとカロリーナ・ラベイさんが描くオレンジ色に染まる空がとても印象的な一冊です。