
本のしょうかい

『はっきょい どーん』
やまもとななこ 作
講談社
土俵の上に最強横綱の武留(ぶる)道山(どうざん)と小結明(あけ)の海(うみ)が登場しました。いよいよ勝負の時、優勝を決める大一番です。
まけるもんか、明の海が引き締まった表情で塩をまき、両者気合十分。みあってみあって「はっきょい!」小さい小結が巨体横綱に「どーん!」と体当たりします。
「ばちーん!」「がしっ!」「ぐいっ!」「ざざざざざーっ」絵もことばも迫力満点。これこそ土俵の上、相撲の現場だ!力士どうしの体のぶつかり合いが見事に描かれています。
ドキドキハラハラ、さて勝負の行方は・・・。場内のどよめきまでが聞こえてきそう。各ページのダイナミックな構図に感嘆します。
見返しには決まり手八十二手、禁じ手八手の解説がイラスト入りで描かれ、じっくり眺めているだけで相撲通になれそうです。