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本のしょうかい

12人のいちにちの表紙画像

『12人のいちにち』
杉田比呂美 作

あすなろ書房

ここはわんぱく少年ヘモが住む町。偉大なる音楽家ウォッホリッヒの生誕地でもあります。町の中心にはロングロンリバーが流れ、その川辺には緑豊かな公園が広がっています。公園の真ん中でウォッホリッヒ氏の銅像がまるで町の様子を見守るように立っています。

この町の一日はどんなふうに進んでいくのでしょう?町に住む12人の人たちの一日が2時間おきに描かれていきます。

さて、町の代表として登場する12人をちょっと紹介してみると・・・。

まずはサッカーが大好きなヘモ君、腕の良いペンキ屋さんのオーティスさん、患者さんに人気の看護師サララさん、熱血消防士ファイアットさん、小説家のカフカフさんは目下ウォッホリッヒの伝記を執筆中のようです。一日絵を描いて過ごすおばあさん、フリーダさん。パン屋さんのプワットさんもいますし、動物園のライオン、ガウリ君もメンバーのひとり・・・。

朝6時から行動開始の人、夜中に働いて昼間は寝ている人、読み手はそれぞれの仕事ぶりを時間ごとに眺め、町の様子も時間によってずいぶん違うことを発見します。そして町ではいろいろなことが起こるものだと知り、ページをめくるごとに次はどんな場面かな、とワクワクしてきます。いつの間にか本の中に入り込んで読み手も町の住民になったような気分、楽しくなります。

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