
本のしょうかい

『つきのなみだ』
青柳拓次 作 nakaban 絵
mille books
おつきさまがなきました。なみだが空から地面に落ちてきてそこに池ができました。
「ここにいけなんかあったかな」とやまねこが池をのぞきこみます。しずかな夜、おつきさまのなみだでできたこの池に森の動物たちが集まってきます。みみずくは顔をあらい、さるは食べ物をあらい、あおがえるがおよぎ、うがいをするやまがら・・・。
おつきさまがみんなのようすをながめ、やまがらのすがたを追っていると、山の向こうがわからだんだん朝の気配です。やまがらさんも今日はきっといい声で歌えるね。
「みんなまたおいで」とうれしくなったおつきさま。そろそろおつきさまもお休みの時間です。おつかれさま。
ねぇ、おつきさま、さっきはどうして泣いていたの?何が悲しかったの?もう大丈夫?おつきさま、今夜も森を静かに照らしてね。
青柳拓次さんとnakabanさんが描く夜の森の青く透きとおった世界。おつきさまといっしょにこころをしーんとさせてみましょう。