
本のしょうかい

『かさどろぼう』
シビル・ウェッタシンハ 作・絵 いのくまようこ 訳
徳間書店
スリランカの島の小さな村のお話です。この村に住むキリ・ママおじさんはある日初めて町へ出かけ初めて「かさ」というものに出会います。おじさんが住む村ではまだだれも「かさ」というものを知りません。雨が降ると村の人たちはバナナやヤムいもの葉っぱをかさのかわりにしたり、ふくろや布やかごをかぶって濡れないようにしていました。
「なんとときれいでべんりなものだろう。」とおじさんはお気に入りのもようの「かさ」を買って帰ります。おじさんはうれしくてしかたありません。村の人たちにこの「かさ」を自慢したくてうきうきとしています。
さて、村へもどったおじさんはバス停のそばのお店でコーヒーを一杯飲むことにしました。ところが大変!明日みんなに披露しよう、と塀のかげに隠しておいた大事なこの「かさ」がコーヒーを飲んでいる間になくなってしまったのです。さて「かさ」はどこへ行ってしまったのでしょう?そしてこのあとのお話の展開は?
大切な「かさ」を何度も盗まれてしまうのにおじさんはとっても大らか。
独特の色合いの美しい絵と心惹かれるステキなこのお話は『きつねのホイティ』でおなじみのスリランカ出身、シビル・ウェッタシンハさんの作品です。