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かぞくのヒミツの表紙画像

『かぞくのヒミツ』
イソール 作 宇野和美 訳

エイアールディー

時計の針が6時10分を指しています。早朝です。いつもより早起きした女の子がキッチンのドアを開けるとそこにいるはずのいつものママの姿は・・・。

エッ、エッ、あれはママ!? そこにはなんとトゲトゲ頭のママが!!うちのママはヤマアラシだった、と驚く女の子。昼間はヘアースタイルもお洋服もあんなにきれいでステキなママなのに・・・。

女の子は誰にもその秘密を言えずにいます。そして女の子の頭の中は「ママはヤマアラシ」と、もうそのことでいっぱいです。どんどん心配になった女の子はともだちのエリサちゃんのうちへおとまりに行くことにしました。ところがエリサちゃんのおうちで深夜女の子が目にしたエリサちゃん家族はなんと・・・。

自分のうちだけの秘密と思っていたことはよそのおうちでも起こっていたことに女の子は気づくのでした。そうとわかれば自分のおうち、自分の家族が一番、すぐさまお迎えコールをします。「へんな子ね。」と言われながらママ(もちろんいつものステキな髪形、スタイルの)と一緒におうちへ帰る女の子、これで安心安心。こんなことあるよね、子どもたち。こんな気持ちになったことありましたよね、大人のみなさん。

作者のイソールさんはアルゼンチンの絵本作家・イラストレーター。子どもの目線を大胆にとりいれ、心を自由にするユーモアと深い問いかけを含んだ本を作る現代絵本作家です。2003年にブラチスラバ世界絵本原画展金のリンゴ賞、2013年にはリンドグレーン記念文学賞に輝いています。

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