
本のしょうかい

『ゼロくんのかち』
ジャンニ・ロダーリ 文 エレナ・デル・ヴェント 絵
関口英子 訳
岩波書店
数字をめぐるかわいいお話です。気立てがよく優しいゼロくんはくらべっこをしてもいつも負けてばかり。自分まで弱く見られたくないとまわりの数字の友だちはだれも遊んでくれませんでした。
あるとき、数をかぞえる勉強がちっともできずにいらいらしているいちくんを見つけたゼロくんは、思い切って「ぼくの くるまで いっしょに ドライブしよう」とさそいます。すてきな友だち、いちくんを乗せたゼロくんはうれしくて勢いよくアクセルをふみます。
しばらく行くと、みちばたのさんちゃんがゼロくんたちに帽子をとって深々とおじぎをしました。すると、さんちゃんだけでなく、ななちゃんもはちくんもきゅうちゃんも・・・。その日からみんながゼロくんを友だちとして大切にしてくれるようになりました。弱いと相手にされなかったゼロくんが急につよーい数字になったのです。
さぁて、それはどうしてでしょうか?
イタリアを代表する児童文学作家のロダーリさんの文がヴェトンさんの絵によってさらに味わい深い輝きを放つ「岩波の子どもの本創刊60年記念」の一冊です。