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まほうのなべの表紙画像

『まほうのなべ』
ポール・ガールトン 再話・絵
晴海耕平 訳

童話館

“むかし むかし、ある むらはずれの ちいさな家に、気だてのいいおんなの子が、おかあさんとくらしていました。ふたりは とても びんぼうで、家じゅうさがしても、たべものは パンひとかけら、という日も、たびたびでした。”

テーブルの上のひとかけらのパンを前に女の子とお母さんの どうしよう?こまったわねぇ、という表情がなんともいえません。

さて、女の子は食べ物を探しに森へ出かけて行きます。でも食べ物はかんたんに探せるものではなく、くるみ一個、イチゴ一粒だって見つけられず泣いているとおばあさんが現れて・・・。

お話はタイトルからも想像できる展開です。おばあさんからもらったおなべを火にかけて呪文をとなえると、そのまほうのおなべにはぐつぐつと煮えたおいしそうなオートミールがいっぱいになるのです。どんな呪文か知りたい? それは「にえろ、ちいさななべよ、にえろ!」かんたんな呪文です。そして忘れてはいけないのがおなべにストップをかける呪文。だって、これはストップをかけなければあとからあとからオートミールが煮えてきてしまう、まほうのなべなのですから。

親子はまほうのおなべのおかげでおなかいっぱいのしあわせな毎日。さて、ある日女の子が遊びに行っている間に事件が・・・。おかあさんが焦っています。おなべからどんどんあふれるオートミール。大変、大変。ドアを開けると、村のとおりに流れ出しもうオートミールの海。おかあさん、ストップさせる呪文、わすれちゃったの?それはね、「とまれ、ちいさななべよ、とまれ!」ですよ。読んでいると思わずこの呪文を唱えて、お母さんの代わりにどんどんあふれてくるスープを止めてあげたくなってしまいます。でも村中にあふれ出したオートミールを村中の人たちが一生懸命すくって食べている様子はとってもほほえましく何だか嬉しくなります。

ポール・ガールトンさんによる再話、そして絵、楽しい楽しい一冊です。

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