
本のしょうかい

『ふゆの ゆうがた』
ホルへ・ルハン 文 マンダナ・サダト 絵
谷川俊太郎 訳
講談社
夕方になりました。お日さまとお月さまがそろそろ入れ替わろうとするある冬の夕暮れ時のことです。
女の子がくもった窓ガラスに指でお月さまの絵を描きました。三日月型に透けたガラスの向こうにかわいい女の子の顔が見えます。女の子がそこからじっと外をみていると・・・。
女の子はどんどん絵を大きくしていきます。どうして?
ふゆのゆうがた、一人でお留守番している時の淋しかったりちょっぴり不安だったりする気持ち、そして窓のむこうに大好きなお母さんを見つけたときの嬉しさ、喜び、女の子の心の動きがホルへ・ルハンさんの詩のような文と美しいマンダナ・サダトさんの絵から切なく温かく伝わってきます。いつまでも眺めていたい絵本です。
小さい時、こんなことあったね、と懐かしい気持ちになる大人がたくさんいるはず・・・。