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ジルベルトとかぜの表紙画像

『ジルベルトとかぜ』
マリー・ホール・エッツ 作   たなべ いすず 訳

冨山房

「おーい」今日もぼくを呼ぶ声がします。ジルベルトは風船を持って外へ飛び出していったよ。誰と遊ぶのかな? 目には見えないお友だち。

このお友だちがいないと、風車もシャボン玉も凧揚げも楽しくできないジルベルトの大切な相棒。とってもすばしこくって追いつくことが難しい。さっさと先へ行ってしまったかと思うと高い枝からリンゴをひとつジルベルトにプレゼントしてくれることもあるんだよ。

でもこのお友だち、いつもジルベルトの思うとおりに遊んでくれるというわけではないの。気まぐれで時々意地悪もする。せっかく集めた落ち葉を「どんなもんだい。」というようにまたもとのとおり散り散りに撒き散らしたり、ママが干した洗濯物をどこかへ飛ばしてしまったり・・・。それでもジルベルトはこのお友だち、「かぜくん」が大好きです。

シンプルだけれど丁寧に描かれた一つ一つの絵、ジルベルトの表情、子どもの心を素直に表した文、心惹かれるエッツの傑作です。

エッツは小さい時から絵が好きで、小学一年生の時、絵の先生のすすめで大人のクラスで勉強をしたという才能の持ち主でした。子どものための社会事業に専念した時期を経て、再び絵の世界へ。闘病中のご主人との最後の日々をシカゴ郊外で暮らし、ご主人の死の悲しみを自ら慰めるために少しずつ描いていたものをまとめた作品が1944年に出版された『もりのなか』です。それから40年にわたり、次々に名作を発表し続けました。

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