こんな本 あんな本

本のしょうかい

これは本の表紙画像

『これは本』
レイン・スミス 作
青山南 訳

BL出版

ロバくんとサルくんが向かい合ってソファーに腰掛けていますが、それぞれ別のものに夢中の様子。パソコンを開いているロバくんはメール中?それとも検索中かな。そしてサルくんは本を開いて読書中。相手のことが気になって先に話しかけたのはロバくんです。「なに、もってるの?」「ほん。」あらら、ロバくんは本というものを知らないらしい・・・。

本についての質問がロバくんからサルくんへ一方的に始まります。スクロールできる?ブログは?マウスは?メールは?ひとつひとつの問いにひとつひとつサルくんは同じ返事をします。「できない。これは本だから。」

「みてみる?」差し出された本を見たロバくん、字の多さに仰天しそこに書かれていたお話を当たり前のように簡単な単語と記号、絵文字に変換してしまいました。でもそのうちにロバくんはサルくんから貸してもらった本の世界に没頭!時間の経つのも忘れて読みふけります。

なかなか本を返してもらえないサルくん。それなら、と図書館へ行こうとするサルくんを呼び止めるロバくん。「だいじょうぶ。あとでじゅうでんしとくから!」ああ、本のことちっともわかっていない、完全にデジタル人間。でも本を読む楽しさをロバくんは教えてもらったようです。よかった。ホッとしました。

本ってなんだろう。本のよさってなんだろう。作者のレイン・スミスさんはロバくんとサルくんの会話を通して私たちに問いかけてきます。スミスさんはコールデコット賞をはじめ数々の賞に輝いているアメリカで活躍中の絵本作家、イラストレーターです。

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