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本のしょうかい

星の使者の表紙画像

『星の使者』
ピーター・シス 文・絵
原田勝 訳

徳間書店

『星の使者』(原題 Starry Messenger)、何と美しいタイトルでしょう。その“星の使者”とは1564年生まれのイタリアの高名な科学者、数学者、天文学者、哲学者にして物理学者であるガリレオ・ガリレイさんのことです。彼の「それでも地球は回っている(動いている)」ということばは有名ですね。

作者のピーター・シスさんはたくさんの歴史的資料を魅力的なイラストで紹介しながらガリレオの生涯を丁寧に描き出しています。美しい美しい絵本です。

「科学においては、多くの人が信じているからといって正しいとはかぎりません。たったひとりの知性が、火花のようにきらめいて、真実をてらし出すこともあるのです。」「深く考えなければならないことがらにかぎって、理解が浅く、知識がとぼしい人ほど結論をいそぎたがるものです。」「自然科学の問題(自然の摂理)を論じる時、書物に記されていることすべてが正しいと思いこまずに、実験や観測で直接たしかめ、すじみちをたてて考えなければなりません。」・・・「科学の父」と呼ばれるガリレオの科学者としてのこんな言葉、信念がステキな文字と工夫されたデザインで書かれているのも印象的です。

権力に屈せずに地動説を唱え続け信念を曲げなかったガリレオに対し1633年に宗教裁判で有罪としたカトリック教会は1992年にやっと自分たちの過ちを認めました。それは彼が亡くなってから300年以上も経ってからのことでした。

「それでも地球はまわっている。」宗教裁判の際のガリレオのつぶやき、“それでも”ということばにこめた彼の思いがこの本を通して胸に響いてくるような気がします。

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