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きみなんかだいきらいさの表紙画像

『きみなんかだいきらいさ』
ジャニス・メイ・ユードリー 文
モーリス・センダック 絵    こだまともこ 訳

冨山房

大きな木の幹をまん中ににらみ合うぼくとジェームズ。一本の傘をまん中にまたにらみ合うぼくとジェームズ。ぼうやたち、そんなにしかめっ面してどうしたの?

14cm×15cmの小さな絵本『きみなんかだいきらいさ』のこんな2枚の扉絵に続く最初のページには肩を組んで嬉しそうに歩くぼくとジェームズがいます。お日さまも蝶々も草花も2人の仲良しぶりを温かく見ています。

ところが次のページ。あらっ?いきなりそっぽを向いてページの両端に立っている2人。ぼくはよっぽどジェームズのことがしゃくにさわるのか、姿なんか見たくもないというようにジェームズはページからはみ出しかけています。

もともと仲良しのはずの2人です。「でも きょうは ちがう。ジェームズなんか だいきらいさ」たんじょう日パーティーによんであげたのに、クルクルクッキーも半分こしたし、傘にも入れてあげてがまがえるのいるところも教えてあげた。水ぼうそうまでいっしょにかかってあげた・・・。それなのに、それなのにジェームズったらいばってばかり。クレヨンは貸してくれない、シャベルは一番いいのをとっちゃう、砂まで投げてくるジェームズなんかだいきらい、もう友だちなんかじゃない!!ぼくは雨の中ジェームズの家へ絶交宣言に行くのです。

一方突然絶交を言いわたされたジェームズも負けていません。「さいならぁ!」「さいならぁ!」お互いにかみつくような表情で本気で絶交をとりかわしたのですが・・・。

ローラースケートを片足ずつはいて、クルクルクッキーを半分こして手をつないでまた遊びに出かける2人を見つめるお日さまは今まで以上に大きく明るく描かれています。あれ?いつの間に雨あがったの?

原題は『Let’s be enemies』どんなに仲が悪くなろうとしても、敵になろうとしても、 仲良しな仲良し、友だちは友だち。けんかするほど仲がいい、ということを改めて教えてくれる、幼いぼくとジェームズのおはなしです。

ユードリーさんの文に心憎いほど見事な絵をほどこしたのはモーリス・センダック氏。手の中におさまってしまうくらいの小さな可愛らしい絵本です。

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