こんな本 あんな本

本のしょうかい

3びきのうさぎの表紙画像

『3びきのうさぎ』
ゼルク・ゾルターン 作 レイク・カーロイ 絵
マンディ・ハシモト・レナ 訳

文溪堂

3匹のコブタくんたちよりもさらに小さくか弱いイメージの3匹のウサギくんたちのおはなし。といっても主役のはずのウサギくんたちの姿はおはなしの最初と最後しか登場しません。

ある日のこと、森で会ったカササギの「おうさまみたい」ということばに気分がよくなったのか、気が大きくなったのか、ウサギくんたち。「よし。おうさまはこれからキツネをつかまえてたべるとしよう。」そう言ったことがきっかけで森は大騒ぎになっていきます。

カササギからキツネへ、キツネからオオカミへ、オオカミからクマへと話はドンドン大きな動物にドンドン大きくなって伝わってしまいます。あんな可愛らしいウサギくんたちなのに大きな頭と口を持っている、すごい牙を持っているばけものだ、と伝えられそれを聞いたみんなは一緒になって逃げ出していきます。そしてその情報はとうとう動物を狙う猟師にまで届き・・・。

人から聞いたお話にはよく尾ひれ、背びれがつくといいますけれど、このウサギさんのお話には羽まで生えて飛び立ってしまいそうなほど、巨大化。伝言ゲームを思い出します。

さて、そんな風に自分たちのことが話題になって、みんなから怖がられているなんてツユともしらないウサギくんたち、草のベッドでスヤスヤと平和にお昼寝中。あらあら・・・。

作者のゾルターンさんも絵を担当しているカーロイさんもともにコシュート賞(ハンガリーの文化や芸術面で著しい功績を残した者に与えられる賞)に輝いているハンガリーの作家です。

矢印バックナンバー

▲このページのトップへ
84O d y ],[ jp" ( "