こんな本 あんな本

本のしょうかい

いわしくんの表紙画像

『いわしくん』
菅原たくや 作   

文化出版局

くるりと大きな目をしたいわしくんがこちらに向かって泳いでくるよ。どんなおはなし?表紙からワクワクしてきます。

日本の海で生まれ、のびのびと広い海を気持ちよく泳いでいたいわしくん。ある日大きな網につかまってしまいます。仲間と共に港に運ばれ、パックにつめられ、買われて焼かれて夕食のおかずに。それでおしまい?いいえ、そこからがこのおはなしのクライマックスです。その展開にドキッとする?ハッとする?「なるほど」と納得する?何だかしみじみ切なくなる?

シンプルなことばで進むお話ですが、何回読んでも何か感じ入るのもがあります。そして何回でも本を開きたくなるお話です。“食育”だとか、“食物連鎖”だとか、そんなことはさておいて、まずは子どもの心で大人も読みたい、それから“生きる”“生きている”ということ、改めて自分の心に響かせてみたくなる・・・そんな一冊です。

矢印バックナンバー

▲このページのトップへ
84O d y