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おまたせクッキーの表紙画像

『おまたせクッキー』
パット・ハッチンス 作  乾侑美子 訳  

偕成社

三時になりました。みんなのおうちの今日のおやつはなぁに? ビクトリアとサムのところでは、お母さんが焼いたチョコ入りクッキーのようですよ。

お皿に並んだ12枚の焼きたてクッキーを前に「6枚ずつだね。」と嬉しそう。お掃除が済んだおかあさんもこれから二人といっしょにティータイムかな、と思っていると玄関のベルがなりました。お隣のトムとハナでした。もちろんいっしょにおやつです。

サムはお皿を2枚食器棚から取り出します。4人で3枚ずつ、と取り分けようとするとまた玄関のベルがなりました。こんどはピーターとピーターの弟がやってきました。サムはもう2枚お皿を出します。テーブルには全部で6人のこどもたち、さてクッキーは何枚ずつ? さぁ食べようというとまたまた玄関のベル。友だちが次々にやってきてとうとう12人になりました。テーブルも椅子も満員、満員。せっかくお母さんがきれいにお掃除したのに床は子どもたちの泥んこの足跡でいっぱい。入り口は子どもたちの荷物でいっぱい。

12枚のクッキーと12人のこども、ということは仲良く一人一枚ずつ、という計算になりますね。ところがまたピンポーン!どうする?半分に割らなくちゃダメかな?玄関に現れたのはおかあさんのクッキー作りの先生、おばあちゃんでした。お土産にたくさんの手作りクッキー!!このタイミングでのおばあちゃん、そしてクッキーの登場に思わず「おまたせクッキー」と読み手も子どもたちに声をかけたくなります。「よかったね、めでたしめでたし。さぁさぁ、みんなでたっぷり召し上がれ。」

作者のハッチンスさんはイギリス、ヨークシャー生まれのイラストレーターです。この作品では明るい色彩が子どもたちの表情を生き生きとさせ、キッチンの床とテーブルクロスのチェッカー柄がとっても印象的です。訳者はハッチンスさんの“かいじゅうのビリー”シリーズも手がけている乾侑美子さん。去年の夏まで図書館の評議員としてお世話になった故乾さんの翻訳、というと何だか一層大切な一冊になります。

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