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山いっぱいのきんかの表紙画像

『山いっぱいのきんか』
君島久子 文  太田大八 絵  

童話館出版

むかしむかしの中国のおはなしです。ランフーという若者が月夜の晩に山へ草刈りに行った時のこと。山道を行くランフーの足もとがぴかりと光ります。「今夜は八月の十五夜、山の神さまが月の光にきんかをさらす日じゃ・・。」銀色のかみの不思議なおばあさんが現れて、ランフーに金貨を三枚拾ってくれました。夜も草刈りに出かけてきた働き者のランフーへのごほうびだったのでしょうか。

ところがランフー、欲がでました。三枚では物足りない、あんなにあるんだもの、あと三枚、いやあと籠一杯、いやいや二杯、それでも足りない、家族を連れてこよう、と途中の橋の上から、持ってきた金貨を籠ごと川に捨てて、みんなを呼びに家へ戻ります。

おはなしの結末はもちろんご想像のとおり。モタモタしているうちに朝が来て・・・。山の上から日の出を眺めたランフーの家族、家畜たちのボヤキがまたまたランフーの愚かさをチクリ。お前一人分でよかったのに、ひと籠分でよかったのに、もらった6枚でよかったのに、最初の3枚でよかったのに。そしてとどめのことばはブタ、犬、子ヤギ、ヒヨコからの「あーあ、きんかは ともかく、あのしょいかごだけでも すてなきゃよかったのにね。」確かにネ、ランフーさん。

日本では『花咲かじいさん』や『舌切り雀』などおじいさん、おばあさんが登場して欲張ると失敗するよ、と教えてくれます。欲張りじいさん、欲張りばあさんがいかにも意地悪そうに描かれることが多い日本の昔話ですが、この『山いっぱいのきんか』はどこかユーモラスでほんわりとしています。太田大八さんの絵がまたまたいい感じ。

さて、この夏、八月の十五夜はいつ? 夜山道を歩くとキラキラ光るものが見つかるかな? 

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