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本のしょうかい

あめの表紙画像

『雨、あめ』
ピーター・スピアー 作

評論社

雨の季節はもちろん、久しく雨降らないなぁ、という時も本棚から引っぱり出して眺めたくなるピーター・スピアーの作品。

本を開くと「わぁ、こんなお庭があるおうちに住みたい!」広い敷地はたくさんの木に囲まれ、野菜や果物がのびのびと育ち、物置の周りには切りたての薪やらスコップやらながーいホースもいつでもお水が出せるよ、とスタンバイ。ブランコ、ビニールプールもあります。ふたりの子どもは今砂遊び、水遊び? 犬やねこ、鳥たちと共に自由にのびのびと過ごすひととき。「わぁ、こんな時間を過ごしたい!」

するとなんだか怪しい空模様・・・降ってきました、雨。 急いでおうちの中に逃げ込んだ、と思ったら、レインコート、長靴、帽子に大きな傘、と準備万端で、外へお出かけ、いえ、探検に出かける姉弟。先ずはさっきまで遊んでいたお庭は雨が降ってきたらどんなふうになるのかな、と回って見て歩きます。「ママ、まだ洗濯物ほしたままだよ」「くもの巣に水滴、きれい」「小鳥さんたち大丈夫?」「すごい水!」・・・ふたりの声が聞こえてきそうです。雨が降るとどんな楽しいことがあるのかな、私たちもふたりといっしょにワクワクしてきます。雨の日の小さな発見を絵本の中でいっぱい感じることができます。

さて、探検が終わってびしょ濡れになって帰ってきたふたりはすぐにお風呂に入りそれから温かい飲み物でひと休み。夕飯まで今度はおうちの中で遊びます。でもまだまだ外の雨が気になっています。窓からときどき庭をのぞいてみるふたり。大丈夫、止まない雨はないよ。

雨降りでも外へ出たいという子どもの気持ちをちゃんとわかっていて濡れないように雨対策をしっかりして、「いってらっしゃい」と当たり前のように送り出してあげるお母さん、ステキだな。

雨の日のようすをひとつひとつていねいに描くスピアーさんはオランダ出身のアメリカの作家、イラストレーターです。『せかいのひとびと』『クリスマスだいすき』など他にもおなじみの作品がたくさんあります。

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