本のしょうかい
『花豆の煮えるまで』
安房直子 著
偕成社
“小夜(さよ)は山の娘 風になって山をかけめぐり、鬼の子とあそび、朴(ほお)の木の精と話す”
山奥の宝温泉で、お父さん、おばあさんと静かに暮らしている少女、小夜。ある日、小夜はおばあさんから、今はもう山へ帰ってしまった山んばの娘である小夜のお母さんのことを、花豆を煮ながら聞く、というところからお話は始まります。
山を愛し山の不思議な隣人(山の自然や精たち)と交流を深める小夜。ある時、山の精でもある自分のお母さんに会いたいと朴の木に頼むのですが・・・。小夜の決断を読者である子どもたちはどう受け止めるでしょうか? 少女の生きる姿勢に大人も感じることが多い物語です。