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本のしょうかい

『まってる』の表紙画像

『まってる』 
デヴィッド・カリ/セルジュ・ブロック 作 
小山薫堂 訳

千倉書房

横長の封筒を思わせるシンプルなデザインの絵本『まってる』。

ひとは生まれてからさまざまな「待つ」「待たれる」を経験していきます。

みんな明るい、いいことを待っています。でも待ちたくないことも待っているのが現実。この本では赤い一本の糸が人生のさまざまな「待つ」を引き出していきます。赤い糸に導かれて出会った二人のドラマがシンプルな絵とことばで最後まで描かれています。出産の場面、喧嘩の場面、愛するひとが病気と診断される場面、そしてその最期。どの場面にも赤い一本の糸が効果的に使われていて感心してしまいます。愛するひとを失って深い悲しみに暮れている男性にもやがて忘れかけていた明るい「まってる」が訪れます。いつも希望を持って「待つ」ことの大切さを教えてくれる作品。

「とにかく読んでみて。いいよ。」とわたしはこの本を何人のひとにプレゼントしたことでしょう。2006年に小山薫堂さんの訳で発行された大人向きの絵本です。今でもいつもわたしの手許にはプレゼント包装された『まってる』が贈り物として届けられるのを“まってる”、スタンバイ状態です。

同じ作家・訳者の組み合わせで「キスしたいって言ってみて」はもっともっと大人向き。とってもお洒落な一冊です。

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