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おちゃのじかんにきたとらの表紙画像

『おちゃのじかんにきたとら』 
ジュディス・カー 作 晴海耕平 訳

童話館

さぁ、これから午後のティータイム、ソフィーはおかあさんとゆっくりお茶をのむはずだったその時、玄関のベルが鳴ります。エッ! トラ?? ソフィーとお母さん以上に読み手も驚くお客さんの登場です。

お腹がすいているトラの「おちゃのじかんに、ごいっしょさせていただけませんか?」にまたまた驚いてしまいます。でもソフィーもおかあさんもまったくあわてることなく、つぎからつぎへとトラが満足するまで食べ物や飲み物をどうぞどうぞとあげるのです。そしてなにごともなかったかのように、まるでおとなりの仲良しさんが訪ねて来てお茶をのんで帰って行ったかのようにふるまう親子。トラさんに食糧を食べつくされてしまって夕飯に何にもないと知ったお父さんも怒ることなく、じゃあレストランへ行こうとなにごともなかったかのよう。わたしたちの日常ではありえないお話ですが、読んでいる方もだんだん「トラさん、ほかに何が食べたいの?」なんて聞きたくなってきたりする、不思議なちからがあるおはなしです。

作者のジュディス・カーさんは著名なドイツ人作家の娘として生まれましたが、ナチスの手を逃れて家族とともにドイツを離れスイス、フランスで過ごした後、イギリスに移って生活をしました。そういう経験からの思いもこの作品にこめられているのかな、とも感じられます。読み聞かせママたちの間では「おちゃとら」という愛称までついているようです。

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